医師掲示板で回答が寄せられなかった問題 その2
今回も医師掲示板で解答が寄せられなかった問題を解いてみます。
問題は part5の④
① 正の整数n(n≧3)を正の整数の2組に分けるとき、
2つの数の順列が違えば異なる組とみなす場合
幾通りの分け方があるか。
例:(a、b)が(1,2)(2,1)を区別する。
② ①で2つの数の順序が違っても同じ組とみなす場合
幾通りの分け方があるか。
例:(a、b)が=(1,2)(2,1)を同じ組とみなす。
③ 正の整数n(n≧4)を正の整数3つの組に分けるとき、
3数の順序が違えば異なる組と考える場合、幾通りの分け方があるか。
④ ③で3数の順序だけが違う場合は同じ組と考える場合、幾通りの分け方があるか。
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①②③は易しすぎますので④を解いてみましょう。
問題を書き換えれば x+y+z=n を満たす、 1≦x≦y≦z の組はいくつあるか。
この問題を解くには準備が必要、それが②の問題
②は「x+y=n 1≦x≦y を満たす組の個数はいくつあるか」
「xが決まればyは決まる」ので
ガウス記号[ ]をつかうと、xは1,2,3,4,・・・・・[n/2]通り。
ここで別の書き方をすれば[n/2]=n/2- 1/4+{(-1)^n}/4に注意しておこう。
これを利用すれば、x+y+z=n を満たす、 1≦x≦y≦z の組の個数は
xは1,2,3,4・・・・・[n/3]通りある。
残ったn-[n/3]を yとzの2つに分ける組の数を求めればよい。
1≦k≦[n/3]として、x=kのとき [(n-k)/3 ]–(k -1)
yの取り方は1≦k≦[n/3]の総和。
[(n-1])/2 ] +[(n-2)/2 – 1] +[(n-3)/2–2] +・・・+{[(n-[n/3])/2 –( [n/3]] -1) }・・・※
つぎに
qはnを3で割った余りで q=0,1,2
n=3p+q とおくと、※ は
[(3p+q-1)/2 ] +[(3p+q-2)/2 – 1] +[(3p+q-3)/2–2] +・・・+[(3p+q-p)/2 ]–{1+2+3+・・・+(p-1)}
{1+2+3+・・・+(p-1)}=p(p-2)/2 だから
S=[(3p+q-1)/2 ] +[(3p+q-2)/2 – 1] +[(3p+q-3)/2–2] +・・・+[(3p+q-p)/2 ] とおくと
もとめるyの取り方はS- p(p-2)/2通りある・・・・※※
これを答えにしてもいいが、美しくないのでさらに計算を進めていく。
つぎに
S=[(3p+q-1)/2 ] +[(3p+q-2)/2-– 1] +[(3p+q-3)/2–2] +・・・+[(3p+q-p)/2 ]
の順を逆にすると
S=[ (2p+q)/2]+[ (2p+q+1)/2]+[ (2p+q+2)/2]+・・・
+[ {2p+q+(q-2)}/2]+ [ {2p+q+(q-1)}/2]
ここで[n/2]=n/2- 1/4+{(-1)^n}/4を利用して書き直すと
S=p(2p+q)/2-p/4
+{1/2+1+3/2+・・・+(p-1)/2}
+{(-1)^q}/4+{(-1)^(q+1)}/4+{(-1)^(q+2)}/4
+{(-1)^(q+3)}/4+・・・・+{(-1)^(p+q-1)}/4
δ={(-1)^q}/4+{(-1)^(q+1)}/4+{(-1)^(q+2)}/4+{(-1)^(q+3)}/4+・・・・+{(-1)^(p+q-1)}/4
とおくと、q=0,1,2 だから δ=1/4、0、-1/4のどれかをとる。
1/2+1+3/2+・・・+(p-1)/2={1+2+3+・・・+(p-1)}/2=p(p-1)/4
以上より
S=p(2p+q)/2-p/4 +p(p-1)/4+δ
yの取り方は※※なので
[(3p+q-1)/2 ] +[(3p+q-2)/2 – 1] +[(3p+q-3)/2–2] +・・・+[(3p+q-p)/2 ]–{1+2+3+・・・+(p-1)}
=p(2p+q)/2-p/4 +p(p-1)/4+δ― p(p-2)/2
=p(3p+2q)/4+δ
=3p(3p+2q)/12+δ
=(3p+q-q)(3p+q+q)+δ ・・・ n=3p+q だから
=(n-q)(n+q)/12+δ
=(n^2)/12-(q^2)/12+δ ・・・※※※
ここで -q^2)/12 + δ の値は
q=0のとき(q^2)/12=0、 δ=0または1/4 だから0または1/4、
q=1のとき(q^2)/12=1/12、δ=0または-1/4 だから-1/12または-1/3
q=2のとき(q^2)/12=1/3、 δ=0または1/4 だから-1/3または-1/12
よって -(q^2)/12+δ は-1/3、-1/12、0、1/4 の値をとる。
以上より nをx+y+z=n を満たす、 1≦x≦y≦z
の組の数※※※(n^2)/12-(q^2)/12+δ は
(n^2)/12-1/3≦(n^2)/12≦(n^2)/12 + 1/4 より
「(n^2)/12 に一番近い整数」となる。