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快闘キッドのメモ帳

文学作品や自分で翻訳した訳のメモ帳なのだ

ケストナーのDie Entwicklung der Menschheit

この詩は某掲示板で誰か訳してみろと投稿されたケストナーの詩。

さてと挑戦してみたが、内容が抽象的なのか分かりにくい。

 

 

Die Entwicklung der Menschheit

Einst haben die Kerls auf den Bäumen gehockt,
behaart und mit böser Visage.
Dann hat man sie aus dem Urwald gelockt
und die Welt asphaltiert und aufgestockt,
bis zur dreißigsten Etage.

Da saßen sie nun, den Flöhen entflohn,
in zentralgeheizten Räumen.
Da sitzen sie nun am Telefon.
Und es herrscht noch genau derselbe Ton
wie seinerzeit auf den Bäumen.

Sie hören weit. Sie sehen fern.
Sie sind mit dem Weltall in Fühlung.
Sie putzen die Zähne. Sie atmen modern.
Die Erde ist ein gebildeter Stern
mit sehr viel Wasserspülung.

Sie schießen die Briefschaften durch ein Rohr.
Sie jagen und züchten Mikroben.
Sie versehn die Natur mit allem Komfort.
Sie fliegen steil in den Himmel empor
und bleiben zwei Wochen oben.

Was ihre Verdauung übrigläßt,
das verarbeiten sie zu Watte.
Sie spalten Atome. Sie heilen Inzest.
Und sie stellen durch Stiluntersuchungen fest,
daß Cäsar Plattfüße hatte.

So haben sie mit dem Kopf und dem Mund
Den Fortschritt der Menschheit geschaffen.
Doch davon mal abgesehen und
bei Lichte betrachtet sind sie im Grund
noch immer die alten Affen.

Erich Kästner

 

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この詩は第1、3、4行と第2,5行が韻を踏んでいる。韻に合うよう単語に制限がかかっているので、日本語にすると妙な詩になってしまう。

さらに3連4連の文頭の「Sie、Sie、Sie、Die」「Sie、Sie、Sie、Sie」も意図したのかはわからない。

日本語で韻を踏むことができれば格好いいのだが、そこまでの文才がないのが情けない。
とりあえず原文にそった拙い訳をした。


人類の進化

かつてヒトは木の上に腰を掛け
毛むくじゃらで醜い顔をしていた。
そして密林より出て
世界をアスファルト舗装し
三十階もあるビルを建築した。

ただ座るのみ、蚤から逃げ 、

冷暖房完備の部屋に

ただ電話機の横に座るのみ

そしてそれは全く同じ音を出す
かつての木の上の音のごとくに。

広い範囲の音を聞き。遠方の景色を見る。
宇宙(世界)と交信する。
歯を磨き。近代的生活を謳歌する。
地球は造られた星となる
非常に多くの水洗装置で。

パイプを通して情報を発信する。
研究し微生物を培養する。
全ての利便を自然に与える。
天空に向かい垂直に飛び立ち
高所に二週間滞在する。

彼らの消化で残されたもの
それを線維に加工した。
原子を分裂させ。近親相姦を治療する。
そして文体研究を通して突きとめる
シーザーが扁平足だったと。

このように、頭と口で
人類の進歩を成し遂げた。
しかしそのことは別にして
根底を明るい所で観察すれば
依然として太古のサルなのだ。

エーリッヒ・ケストナー



あとがき
Sie heilen Inzest.は直訳すると「近親相姦を治療する」となるのだが、これが何を意味するのか不明なのだ。
Inzestは「同族交配」「近親相姦」としか辞書に出ていないので、ドイツ語の隠語で別の意味があるかもしれない。
人間同士の戦いを原爆で解決することを意味するのか、

それとも自分と同じ遺伝子を持つ細胞、つまり「ガン細胞」が「母体を犯す」と解釈すれば、「放射線を用いた癌の治療」となり意味が通じるのだが・・・

果たしてケストナーがそこまで考えていたのか不明なり。

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これじゃぁ面白くないので。下記に独断と偏見の訳を載せておく。

 

人類の進化

いにしえのヒトは毛深く醜い顔をなし

樹上生活せり。

そののち密林よりい出て

道を舗装し高楼を建てたり。

蚤の無い空調の効きし

部屋の内に座るのみ。

電話の横に座るのみ。

その音色、かつての木の上の響きに似たり。

広く音を聞き、遠き姿を見む。

ひろく世界と交信せり。

歯を磨き清潔なる近代生活を謳歌す。

地球は水路にて張り巡らさるる星となれり。

筒を通して文のやりとり。

究めんと微生物を培養す。

あらゆる利便を自然に与ふ。

天空に向かひてロケットを打ち上げ、

人工衛星内に二週間滞在せり。

排泄物から繊維を作り

放射線を使ひて、近親相姦を治療す。

古文書をひもときて、

シーザーの偏平足を知る。

かくして知恵と言葉を駆使して進化せり。

それはさておき、

よくよく見れば、いにしえの猿の姿と変わらず。